京都府南部・木津市に石仏の里として有名な当尾の里という場所があります。
この地域では、様々な仏が岩に彫り込まれており、中には状態の良いものがあるので、ハイキングしながら石仏を巡るのはなかなか楽しいです。私も小学生か中学生の頃にも、遠足で訪れワクワクしながら回りました。
この当尾の里の中心地として岩船寺というお寺があります。よく紹介されているコースとしてはこの岩船寺を始点に浄瑠璃寺まで石仏を巡りながら歩くというものがあります。
この岩船寺ですが、単に石仏巡りの起点というだけでなく、なかなか見どころのあるお寺なんです。拝観料は山門で大人一人400円を支払います。比較的リーズナブルな価格ですね。
●本堂
本尊の阿弥陀如来坐像を安置しているお堂です。1988年の再建。
ここの阿弥陀如来坐像には私も修学旅行でおとづれた当時から印象的で、高さ3mと大きいですが、金箔が剥げ落ち質素で落ち着きのあるところが好きなんです。
胎内の書簡から946年の作であることがわかっており、10世紀を代表する仏像となっています。
本堂内部に入ると、お坊さんが簡単に阿弥陀如来像のことを説明して頂けました。平等院の阿弥陀如来像よりも100年以上古いことを強調されておられました。
浄土信仰は平安時代中期から盛んになりましたが、その先駆けになったのが岩船寺です。
本堂には他にも数が少なく珍しい平安時代の普賢菩薩像(元々は三重塔にあった)や阿弥陀如来を取り巻く鎌倉時代の四天王像があります。
●三重塔
岩船寺で一番目立つ建物がこの三重塔です。鮮やかな朱塗りで、境内の草花とよくマッチしており、美しさが引き立っています。高さは20m。
創建当時からあるものではなく、室町時代の再建。
普段は内部非公開ですが、10月には初層内部公開される日があります。本堂にある普賢菩薩像は元はここにあったものです。
●境内の石造物
周辺には鎌倉時代の石仏が多く残りますが、岩船寺内にもいくつかの石造物が残ります。やはりいずれも鎌倉時代のものですね。
★十三重塔
★石室不動明王立像
★五輪塔
●御朱印は?
御朱印は本堂でいただけます。
●岩船寺とは?
724年に行基が阿弥陀堂を建てたのが始まりと寺伝には伝わっています。813年に伽藍が整備され寺号が岩船寺となりました。最盛期には広大な境内に39の坊舎を抱えていましたが、鎌倉時代の承久の乱で被害を受け、大半の建物を焼失、その後再建されましたが、規模は縮小され、現在は本堂と三重塔,本坊が配置されています。
境内には池を中心とした庭園があり、こじんまりとした静けさが落ち着くお手ですね。
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