清水寺や八坂神社で有名な京都東山にもうひとつ大きなお寺があります。高台寺というのですが、エリア的に清水寺参道と近接しており、案内も多いので名前を聞いたことある人は多いかもしれません。
このお寺は、歴史的には豊臣秀吉の正室・ねねの方が開いた寺であり、埋葬されている菩提寺でもあります。幕末に高台寺党という新選組を離脱した一派が拠点にした場所でした。
庭園も素晴らしく、桜や紅葉シーズンでは必ずと言っていいほど名前が出てくる名勝にもなっています。シーズンの夜間にはライトアップも行われます。
●高台寺とは?
ねねの方(北政所)が亡き夫である豊臣秀吉の菩提を弔うために1606年に京都東山に建てたお寺です。高台寺という名前は、ねねの仏門に入ってからの院号「高台院」からきています。
当初は曹洞宗の禅寺でしたが、中興の祖「三江紹益」が建仁寺から来てからは臨済宗となり現在に至ります。
●受付
高台寺の受付です。ここで拝観料を支払います。拝観料は高台寺単独のものと、高台寺と塔頭の圓徳院拝観がセットになったものがります。
いづれにも境内外にある掌美術館の拝観券がついています。
御朱印は受付の並びにある朱印所でいただくことができます。
★御朱印
●書院~方丈
書院が一般参拝客の出入り口になっており、方丈へは中でつながっています。いずれも、内部拝観可能です。
書院は展示会会場に使われることがあり、この日も作品展示が行われていました。方丈ではこの日「涅槃図」が特別展示されていました。
方丈は1912年の再建で比較的新しい建物です。
●勅使門
方丈から見える立派な門。天皇の勅使が出入りする勅使門です。高台寺の門の中では一番派手な門ですが、方丈と同様に1912年の再建です。
方丈からだと離れたところからしか見れませんが、境内出口付近で表側が近くで見れます。
●庭園
小堀遠州の作であり、国の史跡・名勝に指定されています。桃山時代を代表する庭園として有名。
●開山堂
1605年に建築された仏堂。現在では中興の祖である、三江紹益とねねの兄「木下家定」の木造が祀られています。
天井には秀吉の御座舟の天井とねねの御所車の天井が使われています。
この開山堂は、もともとはねねの持仏堂でした。持仏とは個人で拝む用の仏像のことです。
●臥龍廊
開山堂と霊屋の間を結んでいる屋根付きの階段です。屋根が龍の背に見えることからこの名前がつきました。
普段は通行できませんが、特別拝観で通ることができる時があります。2016~2017年の第51回京都冬の旅ではここを通る拝観ルートが公開されました。
この道からは庭園がよく見え、景観を楽しむことができます。
★臥龍廊内部より
●霊屋(おたまや)
豊臣秀吉とねねを祀る場所。1605年の建築。開山堂から見て高台の上にあります。
大随求菩薩が入った厨子が安置されており、その左右に秀吉とねねの木造が安置されています。ねねの墓所でもあり、本人木像の地下2mに遺体が埋葬されています。
厨子は閉ざされており、菩薩像は非公開ですが、厨子扉や須弥壇に描かれた文様など高台寺蒔絵として有名であり、見どころとなっています。
普段は離れた場所からしか拝観できませんが、特別拝観時は近くから可能です。
内部撮影禁止の為、内部写真は拾いものです。
●傘亭・時雨亭
霊屋近くにある茶室。両方とも伏見城からの移築とされています。
時雨亭は珍しい二階建ての茶室になっています。千利休作と言われていますが、伏見城自体が利休の死後に建設なので疑問ですね。
●展望台
普段は非公開ですが、京都冬の旅では公開されていました。
霊屋よりさらに高く、高台寺で最も高い位置にあり、京都の街並みを一望できる展望スポットとなっています。
●終わりに
高台寺は京都の観光の中心地である東山にありますが、清水寺や八坂神社と違い、観光客はいますが、静かな印象でした。
庭園も美しく、霊屋などみどころもありますので、東山に来たけど、落ち着いてお寺を見てみたいという人にはお勧めですね。
東山の大仏として目立っている巨大観音像は実はこの高台寺の塔頭である「霊山観音」のものです。巨大観音に興味がある方はそちらへも参拝してみては?
コメント