新薬師寺のみどころ 最古で最高の十二神像

旧500円切手の図案として使われていた伐折羅大将というのをご存知でしょうか?

伐折羅大将の500円切手というのはこのような物です

バサラ大将・500円切手

2015年の現行500円切手になるまでは生産されていました。ちなみに現在でも在庫がある郵便局では販売されていますし、使用可能ですよ。

さて、この伐折羅大将の図案は長い間使用されており、人気のある仏像なんです。

伐折羅大将は十二神将のひとりなんですが、十二神将自体が仏像の中では人気がありますね。

奈良の新薬師寺というお寺で見ることができます。

●新薬師寺って?

奈良市の高畑町にある小規模なお寺です。春日大社の南にある住宅地の中にあり、東大寺や興福寺などの観光のメインになる場所からは少し離れた位置にあります。

今でこそ小さな寺院ですが、もともとは奈良時代に大仏造営で有名な聖武天皇の病気を治すことを祈願して建てられた官寺で、金堂や東西の塔をはじめ多くのお堂が建つ南都十大寺に数えられる大寺院でした。

当時は七仏薬師という7体の薬師如来を本尊として祀られていましたが、現在の本尊は一体の薬師如来像となっています。

780年に東西の塔は落雷で焼失,962年に台風で金堂など諸堂が倒壊、以後は荒廃し、1つのお堂だけとなってしまいました。これが現在の本堂となります。

鎌倉時代に復興し、現在は本堂を除く多くの建物が鎌倉期のものです。

境内への入口は南門のみで東門もありますが締め切り、境内全体が有料となっています。南門で拝観料を支払います。値段は大人ひとり600円。拝観時間は季節問わず午後5時までとなっています。

新薬師寺/南門

●十二神将って?

十二神将は薬師如来を守る十二体の武神です。仏像などでは甲冑をつけた武将の姿で表現されています。

十二の時,十二の方角,十二の月を守るとされており、十二支と関連付けられています。

十二神将は化身した姿であり如来や菩薩などの本当の姿(本地仏)が存在します。十二神将があるお寺へ行くと説明で本地仏も紹介されています。

●本堂

伐折羅大将をはじめとする十二神将が安置されているお堂です。本堂中央には円形の土壇が築かれ、本尊・薬師如来坐像を中心に円陣を組んで十二神像が安置されています。

創建当初から唯一残った建物ということで数少ない奈良時代の建物であり、国宝指定された貴重な物です。内部では柱が40本使われすべて円柱,天井は無く屋根の骨組みが直に見ることができます。

現在は本堂ということになっていますが、金堂は平安時代に倒壊しており、当初から本堂というわけではなく、修法で使われた壇所であったとされています。

新薬師寺/本堂

★十二神像立像

新薬師寺/十二神将

新薬師寺の十二神像は日本最古にして最高の十二神像とされています。1体の補作を除き国宝指定されています。

奈良時代の作品であり、当時流行した造仏方法である塑像という様式でできています。塑像というのは、木を骨組みとしてそこに粘土で肉付けしていくという方法で作られた仏像です。

脱乾漆や金銅仏に比べ比較的簡単に造れますが、もろいのが特徴です。

同時期の塑像である東大寺戒壇堂の四天王像に比べて動きがありより新しいとされています。

創建当時は鮮やかな彩色がされており、現在でもところどころ残っているらしいですが、暗い堂内ではそこまで見つけるのは難しいものがあります。

十二神像立像には寺伝での名前と国指定の名前があります。ここでは寺伝の名前でそれぞれ呼んでいます。

★伐折羅大将(ばさらたいしょう)

十二神将の1体で冒頭で紹介した旧500円切手の図案にもなった仏像です。そういうこともあり、十二神将で最も有名な仏像ではないでしょうか?

本尊の左に位置し、十二支の戌を担当します。

この像も当然、奈良時代の当初像であり、国宝となっています。

国指定名は迷企羅(めきら)大将像となっています。

新薬師寺/バサラ大将

★本尊・薬師如来坐像

新薬師寺の本尊で、十二神将達の主人です。カヤの一木を使って寄木で作られています。

一木で寄木という手法で平安時代初期のものとされていますが、本堂の創建までさかのぼる可能性もあるようです。

一部に墨や朱が使われる以外は彩色や漆箔は使用されず素木で仕上げされています。光背には六体の化仏が配置され、本体と合わせて七体となり七仏薬師を表現されています。また、光背にはアンカンサスというシルクロード由来の植物がモチーフされています。

また、他の仏像に比べ目が大きいというのが特徴となっています。

新薬師寺/薬師如来坐像

★香薬師像(模造)

本堂で見逃しがちなのがこの香薬師像です。本尊の南側通路に小さな厨子の中にひっそりと置かれています。

香薬師像とは白鳳時代の金銅仏で聖武天皇の念持仏であった仏像です。、白鳳仏の中でも最高とされていた仏像でしたが、残念ながら71cm程度の小さな仏像であったためか昭和に盗難にあい行方不明・・・新薬師寺にはありません。もし、あれば十二神将を上回る人気になったかもしれないのに残念なことです。

盗難前に取られていた原型から3体の写しが作られており、そのうちの一体が本堂にある薬師像です。

実はこの仏像の右手のみ発見されており、奈良国立博物館へ委託されています。

●その他のみどころ

境内のほとんどを本堂が占めているため、その他のお堂は多くはありませんが、いくつかのみどころがあります。

おすすめは庫裏で、十二神将や新薬師寺についてのビデオを見ることができます。室内は暖かいため、冬場に一時の暖をとるのにも最適ですね。境内には他に暖をとれるところがありません。

他には奈良時代の梵鐘がありますが、吊るされている鐘楼の中には入れないので、格子越しに覗くしかないのが残念なところです。大晦日にはついているようで、1300年近く前の鐘をまだついてるってすごいですね。

新薬師寺/鐘楼

●御朱印

寺社参拝で忘れちゃいけないのが御朱印をいただくことですね。

新薬師寺の場合は他と少しもらい方が違い、南門での受付時に御朱印代金を支払い、番号札をいただきます。

この番号札を本堂内の売店に持っていき御朱印を書いていただくことになります。

御朱印については拝観料を受付で支払うときに言ってもらえるので間違うことはないと思います。

新薬師寺/御朱印

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