海住山寺のみどころ 変わった国宝・五重塔が見れる

京都の木津には、意外なことですが、飛鳥時代~奈良時代創建の古代寺院が多数あります。これは、木津には奈良時代の一時期に恭仁京という都がおかれたことや、木津川が奈良へ木材を運搬する重要ルートだったことも関係あるかもしれませんね。

当尾の里の浄瑠璃寺なんかは有名ですが、多くが観光地にもなっておらずあまり知られていませんが、魅力的なお寺がたくさんあります。

今日紹介する海住山寺もそんな木津市にある古代寺院の一つです。

●海住山寺とは?

恭仁京跡の近くの山中にある中規模の寺院です。

創建は735年で、聖武天皇が大仏造営の工事の無事を祈願して東大寺の良弁僧正に十一面観音を本尊として建てさせたのが始まりと自伝では伝えられています。創建時は藤尾山観音寺という名前でした。

大仏建立と寺院の創建時期がかなりずれるので時期が違うのか創建理由が違う可能性があると思っています。

1137年に焼失し廃墟となりました。

海住山寺となったのは鎌倉時代で、1208年に笠置寺の解脱上人が移り住み名前を新たに再興したのが始まりです。

寺院内の建築物や仏像の多くはこの復興後の物となりますが、仏像のいくつかは平安時代以前のものもあり、藤尾山観音寺から引き継がれてきたと思われます。

現在は真言宗智山派の寺院ですが、江戸時代までは南都六宗の法相宗であったようで、かなり古い由来をもつ寺院であることは確かなようです。

●五重塔

海住山寺で最も有名なのがこの国宝指定されている五重塔でしょう。

建立じたいはそうめちゃくちゃ古いものではなく、1214年になりますが、構造が他の五重塔と比べ特殊で、心柱が二層目から五層目のみで、初層にはないことや、薬師寺の三重塔のように裳階がつけられていることが、建築史上有名であるようです。

初層外側にいくつもある柱は初層屋根を支える構造をしており、これも他の五重塔には無い構造です。

構造は置いといても外観は非常に整っており美しいものです。小型の五重塔であり、室生寺の物に次いで2番目に小さい五重塔です。

初層は10月下旬から11月上旬にかけて特別公開があります。その時に注目なのが、初層に安置される四天王像。

この四天王像は大仏殿四天王(鎌倉時代の再興時)の写しの中でも金剛峯寺のものと並んで最も状態がよくかつ優秀な作品であるようです。普段は奈良国立博物館に預けられていますが、初層公開時のみ里帰りします。

海住山寺/五重塔

●本堂

本堂自体は明治の再建ですが、本尊・十一面観音像をはじめ海住山寺所有の仏像の多くがここにあります。

この建物のみ常時内部公開されており、大人一人400円で拝観することができます。内陣まで入れるため、仏像を至近距離から見ることができます。

また、御朱印やお守り、寺院関連書物はここで購入できます。

海住山寺/本堂

★本尊・十一面観音立像

海住山寺の本尊。10世紀ごろの作品とされており、一木造り。

平安時代のものということですが、彫りは浅く、全体的に動きが少ない造形をしており、天平時代にも通じる姿をしており、寺院内の他の仏像よりも明らかに古そうな雰囲気です。重要文化財指定されています。

海住山寺/十一面観音

●文殊堂

鎌倉時代の建築で重要文化財指定されています。1225年建立の経蔵である可能性もあるようです。

内部の公開はありません。

海住山寺/文殊堂

●本坊~奥の院

ここは普段は非公開となっており、本坊入口から先へは進めません。

本坊には庭園があり、その奥にある奥の院の本尊「壇像・十一面観音」は普段は奈良国立博物館へ預けられていますが、秋の特別公開時にはお堂内で見ることができます。

この仏像は壇像の中でも特によくできており、身分の高い人物が作らせたものではないかと言われています。平安時代前期の小像ですが、解脱上人の念持仏とされています。

海住山寺/本坊

●アクセス

電車の場合、最寄駅はJR加茂駅のみになります。ただし、駅からは3.6kmも歩かなくてはいけないので、駅からはバスをお勧めしますが、一番近いバス停である「岡崎」からも1.7kmあります。海住山寺までの道のりは舗装されていますが、長い上り坂となります。

いずれも、かなり歩かないといけないので、ハイキングを楽しむつもりの方がいいかもしれませんね。

車だと寺院に無料の広い駐車場があるので、あまり歩かなくていいですが、途中の道に対抗できないぐらい狭い場所があったりします。

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