石上神宮のみどころ 伝説の神剣が眠る神社

今年は酉年ということで、TVでは石上神宮が取り上げられていたそうです。奈良の石上神宮では境内で多数の鶏を放し飼いにしており、酉がいる神社として取り上げられていたようです。

TVで取り上げられたため、参拝客が大幅に増加したと石上神宮のホームページには載っていました。

せっかくの酉年ということで、私も便乗して石上神宮へ初詣に行くことになりました。

石上神宮

●鶏(にわとり)

石上神宮の一番のみどころといえば、鶏でしょう。

主に社務所付近を中心に放し飼いになっており、一般に小屋などで飼われている鶏とは違った動きを見られます。

高い木の枝に飛び乗ったりするのはなかなか他では見られないでしょう。

人には慣れているということですが、あまり近づくと逃げます。この日は初詣シーズンということで、たくさんの参拝客に追い回されていました。普段は参拝客もまばらで静かな神社なので、鶏たちもおちつかなかったかもしれませんね。

境内の鶏は一種類ではなく様々な種類が暮らしており、楽しませてくれます。数は30羽前後のようですが、そう広い境内でないのと、ある程度かたまって住んでいるので少し多く見えます。

鶏は夜になると木の上で休みますが、境内には鶏小屋もあり、レグホンや烏骨鶏など高く飛べない種は夜にそこへ誘導されて休むようです。

石上神宮/鶏

●楼門

鎌倉時代末期の後醍醐天皇の時代に建てられたとされる門です。拝殿前に行く際に通ることになります。

大きな神社には楼門を備えてるものも少なくないですが、石上神宮も立派な楼門を備えているんですね。楼門は神仏習合の時代に多く建てられたもので、神社建築ではなく、仏教建築になります。

この門は重要文化財に指定されていますので、みどころの一つになります。

石上神宮/楼門

●拝殿

楼門を抜ければ正面に拝殿はあります。

この拝殿は平安時代後期に白河天皇が宮中の神嘉殿を寄進したもので、国宝指定されています。拝殿には崇敬会メンバーの他は祈祷など特別な時にしか昇殿できず、一般の参拝者は拝殿の前までとなります。

拝殿周囲には授与所などがあり、ここで御朱印やお守りなどを入手できます。

石上神宮/拝殿

●摂社拝殿

石上神宮境内には摂社もあります。出雲建雄神社,猿田彦神社,七座社,天神社がありますが、合同の拝殿があります。

この拝殿が鎌倉時代創建の寺であり現在は廃寺となっている「内山永久寺」鎮守社の拝殿を移築したもので、中央に通路が開いている「割拝殿」という形をしています。

正直、それなりに立派な建物だとは思いますが、私が参拝したときは国宝とは気が付かなかったです。

●本殿~禁足地

石上神宮には元々は本殿がありませんでした。拝殿後方には禁足地があるのですが、その場所を崇拝対象としていたのです。

このような本殿が無いというのは古墳時代から続くような古い神社ではしばしばあることなので、それだけ古い神社ということですね。

明治時代に禁足地が発掘され、石上神宮のご神体である「布都御魂剣(ふつのみたまのつるぎ)」が発掘されています。この後、大正時代に本殿が禁足地に建てられました。

ご神体は本殿の内陣に収められているようです。

布都御魂剣は古事記に出てくるヤマタノオロチを倒した剣であり、興味をそそる剣ですが、残念ながら、禁足地も本殿も普段は非公開で見ることはできませんが、祭祀の際には入れるものもあるようです。

●七支刀(しちしとう)

七支刀

石上神社で有名な宝物として七支刀というのがあります。TVゲームなどでもしばしば登場する剣なので、知名度もそれなりにあると思います。国宝指定。

発掘品などではなく、石上神宮の神庫に宝物として伝えられてきたものです。刀身には金象嵌銘文が書かれており、解読中ですが、369年に百済で作られたということが読み取れるようです。

このことと形状から日本書紀にある4世紀に百済から贈られた「七枝刀」と同一であるとみなされています。その形状から武器ではなく、祭具であるとされています。

残念ながらこの剣も普段は非公開です。

この剣があることから石上神宮に興味を持つ人も多いと思うので残念なことですが、過去に神宮での特別公開や東京国立博物館や九州国立博物館で企画展示されたことがあるようですので、今後も公開があるかもしれませんね。

●御神劔守(ごしんけんまもり)

石上神宮のお守りはいろいろありますが、その中でも特徴的なのがこの御神劔守です。

このお守りは、毎年6月に行われる「神剣渡御祭」で神剣を覆う袋の形をしたお守りです。表には宝物である七支刀の絵が描かれているのが特徴です。

起死回生,百事成就,除災招福,無事息災の神徳があるとされており、神宮内の授与所で販売されています。

七支刀の絵柄が入ったお守りは他には無いので神宮へ参拝した際にはおすすめのお守りです。

●石上神宮とは?

ここまで読んで石上神宮ってなんなのかと興味を持った人もいると思いますので簡単に説明しますね。

石上神宮は奈良の天理市にある神社で、大きくはないですが、小さくもない中規模の神社となっています。

由緒は非常に古く、大神神社と同様に古墳時代からあるとされ日本最古の神社の一つであり、伊勢神宮などと同様に古代から「神宮」を名乗る神社です。

飛鳥時代に仏教をめぐって蘇我氏に滅ばされた物部氏の総氏神であり、大和朝廷の武器庫を兼ねていました。ちなみに社名の「石上」というのは物部氏の改姓した名前です。

祭神は布都御魂大神,布留御魂大神,布都斯魂大神となっており、それぞれ次のようになっています。

★布都御魂大神(ふつのみたまのおおかみ)

布都御魂剣(ふつのみたまのつるぎ)の魂。

布都御魂剣は古事記にて建御雷神が葦原中国の平定に使用し、神武天皇が国家平定に使用した神剣。

崇神天皇の時代に物部氏により宮中から石上神宮に移され、いつの時代か禁足地に埋められました。現在は発掘され本殿内陣に祀られている。複製品が刀匠により二振り同じく本殿中陣に収められています。

日本刀とは逆の内反りの刀の形状をしている。

★布留御魂大神(ふるのみたまのおおかみ)

十種神宝に宿る魂。

十種神宝とは、沖津鏡(おきつかがみ)辺津鏡(へつかがみ)八握剣(やつかのつるぎ)生玉(いくたま)死返玉(まかるかへしのたま)足玉(たるたま)道返玉(ちかへしのたま)蛇比礼(おろちのひれ)蜂比礼(はちのひれ)品物之比礼(くさぐさのもののひれ)となります。

物部氏の先祖である饒速日命が天津神より与えられた神宝で、死者を蘇らせる力があるとされています。また、日本最初の鎮魂際においても使用されたそうです。

十種神宝は現存していないとされていますが、一部をご神体として祀る神社もみられます。

★布都斯魂大神(ふつしみたまのおおかみ)

スサノオがヤマタノオロチを成敗した剣である「十握剣」の御魂。別名「天羽々斬剣」。

現物は禁足地より発掘された片刃の剣の鉄剣で、内陣内に祀られています。

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