嵐山の竹林は有名ですが、その竹林を進んでいくと「野宮神社」という神社があります。小さな神社ですが、ここは野宮の跡地なんです。
野宮とは、伊勢神宮に仕える斎王が伊勢へ行く前に身を清めた場所で、現在の野宮神社の場所には平安時代初期の嵯峨天皇のころから後醍醐天皇のころまで野宮がありました。斎王には2歳から28歳までの未婚の皇族の女性から選ばれました。
この野宮が神社として存続した野宮神社には野宮の特徴である黒木鳥居と小柴垣が再現されています。
野宮の様子は「源氏物語」の賢木の巻で登場し、黒木鳥居や小柴垣などの特徴が描かれています。
野宮神社はパワースポットや縁結びで人気があり、シーズンには多くのカップルが参拝しますが、さきほど書いたとおり、この神社には黒木鳥居という特徴的な鳥居があります。
この黒木鳥居に私は大きな関心を持ちました。
●黒木鳥居
神社の説明には「黒木鳥居とは樹皮のついたままの鳥居のことで鳥居としては原始的な形式で日本最古」としています。※鳥居自体は最近の再建です
黒木鳥居は樹皮付きですが、古い形式である神明鳥居の形をとっています。確かに古い形態であるようですが、神明鳥居を採用している伊勢神宮には黒木鳥居はありません。
京都福知山市にある元伊勢神社のほうにはどうも黒木鳥居があるようです。伊勢神宮創建よりももっと古い時代から使われてきた鳥居の形態ということでしょうか。
黒木鳥居は劣化しやすいとされていますが、野宮神社の黒木鳥居はくぬぎ材を使用し、表面を樹脂処理して劣化を防いでるそうです。
ちなみに黒木鳥居の写真左にあるのが小柴垣です。
●野宮じゅうたん苔
野宮神社では黒木鳥居だけでなく、美しい苔庭を見ることもできます。嵐山を表現したという苔庭らしいです。規模は小さいですが、美しい苔庭なので一見の価値ありですね。
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