泉涌寺の記事も3回目になりました。泉涌寺は楊貴妃観音や三世仏などすぐれた文化財がみどころのお寺ですが、本当のみどころは皇室の菩提寺としての部分にあります。後堀川天皇と四条天皇、江戸時代の全ての天皇のお墓はここにあります。そのため、泉涌寺は御寺(みてら)とも呼ばれています。
皇室とのかかわりを強く感じさせる部分として御座所があります。この建物は本坊とつながっており、経由して入っていく形になっています。
本坊からは特別拝観区画となっており、300円の追加料金が必要になります。また、ここの受付でのみ御朱印がいただけます。
●本坊
舎利殿よりさらに奥に行ったところにある建物です。靴を脱いで入る床形式です。
ここに特別拝観の受付があり、支払いを行います。御朱印は他のところでももらえそうなのですが、ここでしかもらえません。私は御朱印帳をこの日忘れてしまったのですが、紙に書いたものをいただけました。
「霊明殿」と書かれた御朱印なのですが、霊明殿は天智天皇以後の歴代天皇位牌が祀られている場所です。内部は非公開で入れませんが、御朱印に書くぐらい泉涌寺の中では中心となる場所なのでしょう。
●御座所
1818年の霊明殿再建時に京都御所より上棟の御里御殿が移築されたもの。本坊から入ることができ、海会堂や霊明殿ともつながっています。※ただし立ち入り禁止
建物内はさすがに追加料金がかかるだけに客が他にいませんでした。それだけに静まり返っており厳かな雰囲気に感じました。
部屋は6室あり多くの部屋は撮影禁止。南東の部屋に玉座があり、玉座の間と呼ばれています。この部屋には玉座のほか、光格天皇の遺品である机が置かれています。また、御座所へ現在の天皇陛下や秋篠宮夫妻が来られた時の写真も飾られています。
秋篠宮夫妻というのは今人気のプリンセス「佳子」様の御両親です。
北東の部屋はかつては皇后のお産の場所であったようです。
縁側からは美しい御座所の庭園が一望できます。御座所庭園は明治17年に作られた庭ですが、ここに置かれている雪見灯篭は仙洞御所より移されたもので、近世初期の古いもののようです。桂離宮の雪見灯篭と双璧をなしているとのことです。
●海会堂
京都御所の御黒戸を移築したもの。歴代天皇と皇族の念持仏が祀られている場所です。皇族の念持仏だけあって各時代の代表的な仏師が彫刻したすばらしいもののようですが、残念ながらここは非公開。
遺族であるなど理由があれば入れるようですが、立ち入り禁止になっていました。御座所とつながっており入り口の前までは御座所から行けます。
●霊明殿
前述の通り歴代天皇の御位牌が祀られる場所で、御座所の東にありますが、非公開入れません。建物の様子だけ門の外から拝観することは可能です。
それにしても霊明殿の門にある菊花紋の彫りものは立派ですね。
※ここは通常拝観区画です。
●月輪稜
霊明殿の裏側にあります。各天皇の墓地の為、立ち入り禁止です。
※ここは通常拝観区画です。
●あとがき
今回は泉涌寺の特別拝観区画である「御座所」について書きました。泉涌寺というとやはり皇族とのつながりを感じさせる部分がみどころであるということで一度御座所にも足を運ぶことをお勧めします。
泉涌寺には他にもみどころがたくさんあります。他にも泉涌寺について記事を書いているのでそちらもよろしければご覧になってくださいね。