六道珍皇寺 「冥土へ通じる伝説の井戸」「地獄絵図」特別公開

六道珍皇寺・山門

六道珍皇寺は京都ではお盆の精霊迎え(8月7日~10日)に参拝するお寺です。寺を開いたのは奈良・大安寺出身の「慶俊僧都(きょうしゅんそうず)」で平安前期に創建されたといわれています。慶俊僧都は弘法大師の師にあたる僧であり、寺の宗派も最初は真言宗でした。現在は臨済宗建仁寺派となっています。

このお寺は他のブログで京都で最も地獄に近い寺だということで興味があり、「閻魔大王像」や「冥土へ通じる井戸」がとても印象的だったのでいつかは行きたいと思っていたお寺でした。

ただ普段は残念ながらここは本堂からは非公開で本堂までの境内しか入れません。井戸や地獄絵図などは本堂の中にあります。

そうしたところに、京の冬の旅 非公開文化財特別公開で六道珍皇寺がとりあげられており、本堂が公開されているということで参拝させていただきました。

参拝料は大人600円。これは「京の冬の旅」共通の拝観料であり、今回はこの値段ですが、公開企画によって違う可能性があります。公開でのみ用意される特設の受付が入口に用意されていました。

六道珍皇寺・受付

●本堂

六道珍皇寺・本堂

六道珍皇寺で人が入れるお堂はこの本堂のみとなります。特別拝観時以外は入れません。

本堂へ上がると本尊・薬師三尊像(レプリカ)があり、ここで職員さんより六道珍皇寺の由緒や薬師三尊像についての説明がありました。

六道珍皇寺は大文字焼きに代表される五山の送り火で終わるお盆の行事の始まりである「精霊迎え」を行う京都の人の間では有名なお寺であるそうです。

お寺が建っている六道の辻といわれる場所は平安時代には都の東の墓所である「鳥辺野」という場所に通じるところであり、このあたりで遺族は遺体とお別れをしたそうです。

すなわち、死者が集まってくる冥界に一番近い場所だということです。

なお、本堂にある薬師三尊はレプリカですが、本物は重要文化財であり、境内にあるコンクリート製のお堂で見ることができるということです。

説明の中で「小野篁(おのの たかむら)」という人物について説明がありました。小野篁というのは朝廷の高官であり、百人一首にも歌を残している人物ですが、六道珍皇寺にも深い関係があります。

小野篁は昼はこの世で朝廷につかえ、夜は地獄で閻魔大王につかえたという伝説がありますが、この世と地獄の行き来に使ったという井戸が六道珍皇寺にある「冥土通いの井戸」「黄泉返りの井戸」です。

本尊の前での説明後、案内される隣の部屋に地獄絵図があります。地獄絵図の前でも説明があり、各地獄の説明がありました。

★地獄絵図(熊野観心十界曼荼羅)

この地獄絵図は人間が生まれてから成人し結婚、そして老人となり死ぬまでの様子が上半分に描かれ、下半分に死んでからのあの世での様子が描かれています。

あの世へ行くとまず三途の川があります。善人も悪人も渡らなければいけませんが、渡り方が罪に応じたものになります。善人は阿弥陀様に先導されて橋の上を堂々と、悪人は最悪なパターンでは川の中を歩いて渡らないといけません。

渡り切れば悪人善人関係なく、裸にされ木に衣類をつるされます。この時に濡れた罪人の服をつるした枝は重みでしなります。それを見て生前の罪の重さがあからさまになるのです。

そこからは様々な地獄が描かれています。業火に放り込まれたり、身体を串刺しにされて火にあぶられてあり、細かく身体を切り刻まれて生き返らされ再度切り刻まれるを繰り返されたり。女性専用の地獄や色欲の罪で落ちる地獄なども描かれています。

かなり残酷な物が多く、よく昔の人はこんなのを想像だけで描けたなと思いますね。

珍皇寺・地獄絵図

このような地獄絵図は熊野比丘尼という尼僧が全国を渡り歩きながら絵解きに使いました。当時は一般庶民は字が読めませんのでこのような絵をもって悪いことをすれば地獄に落ちることを解き。善行をすすめて回ったとのことです。

★冥土通いの井戸・黄泉がえりの井戸

冥土通いの井戸 黄泉返りの井戸

本堂の縁側からいったん外へ出て渡り廊下を進むと別棟へ行くことができます。この別棟から庭へ下りると社と井戸が並んでいます。この井戸が「冥土通いの井戸」です。小野篁が地獄へ行く時に使用した井戸がこの井戸といわれています。

この場所にも担当職員さんがおられ説明してくださりました。

冥土通いの井戸には鉄の格子がつけられ中を覗き込むことはできませんが、格子越しに見た感じではそうとう深そうです。

写真は庭からがベストなのですが、残念ながら庭に下りての撮影はNG。本堂縁側からのみ撮影OKなのです。

この井戸からさらに進むと「黄泉返りの井戸」があります。これが小野篁が地獄から帰ってくる際に使用した井戸であるようです。「冥土通いの井戸」に比べ小ぶりな井戸です。

●境内

特別公開部分は本堂にありますが、境内にもみどころがあります。普段は格子越しでしか見れない閻魔大王像や重要文化財・薬師如来坐像の格子が解放されており間近で見ること出来ます。

★閻魔大王像

珍皇寺・閻魔大王

境内の篁堂に安置されている木造仏です。六道珍皇寺でいちばん有名な仏像がこれでしょう。小野篁作だと言われ、平安時代の作品です。

篁堂には小野篁の像も安置されています。

★重文・薬師如来坐像

珍皇寺・薬師如来

境内にあるコンクリート製の「薬師堂」に安置されているのがこの薬師如来坐像です。平安時代の木彫仏で重要文化財指定されています。

本堂の薬師如来坐像の本物にあたるのがこちらです。

★迎え鐘

珍皇寺・迎え鐘

六道珍皇寺の鐘楼にあたりますが、引いて鳴らす「」という珍しい形式の鐘となっています。なんでも、この音色によって死者をこの世に呼び出すとか・・・

珍皇寺を創建した慶俊僧都が作らせたとされており、当時は唐まで響いたという伝説が残っています。

私もついてみましたが、結構力強く鳴らさないとちゃんと鳴らないようか感じです。鐘楼の中は見えずどのように鳴っているのかわかりません。

●御朱印

六道珍皇寺・御朱印

六道珍皇寺の御朱印は本堂入ってすぐのところで貰うことができます。本堂を回る前に御朱印帳を預けることも可能で、朱印帳を渡したあと一通り本堂をまわってから受け取ってもいいでしょう。

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