四天王寺中心伽藍は焼失を繰り返し、いずれも新しい建物ばかりでしたが、古い建物もちゃんとあります。
創建まで遡るようなものはないのですが、いずれも重要文化財指定されています。
今回はそういう建物を紹介していきます。
●石鳥居
四天王寺境内へは南大門,東大門,中ノ門、そして、石鳥居から入ることができるのですが、基本は南大門から入ります。
ただ、メインストリートから入ってきやすいのは石鳥居なので結果的に石鳥居から入る人が多くなると思います。
よく、御利益があるから石鳥居から入るという記述が多く見られますが、必ずしもそうではなく、実際に行ってみて単にアクセスの問題でここを通る人が多いのではないかと感じました。
この石鳥居は実は日本で2番目に古いものだそうです。
創建から木造の鳥居があったそうなのですが、1294年に忍性上人が石鳥居に改めたのが現在の鳥居とのこと。
お寺なのに創建から鳥居があったのですね。私はここが気になりました。
お寺の境内に鳥居があるのはよく見られますが、それはお寺の中の神社としてであって、お寺の入り口に設置したりはあまりしません。
四天王寺は日本最初期のお寺なのでまだ、神道と仏教が混在していたのか、それとも、四天王寺建立のきっかけになった、打ち取った物部守屋への配慮なのか・・・
●石舞台
亀の池の中央に位置する舞台です。
住吉大社の石舞台、厳島神社の平舞台と並び、日本3大舞台の一つであり、毎年4月22日には雅楽が終日奉納されます。
この雅楽は奈良のものと並んで古い形態を残した貴重なもののようです。一度聴いてみるのもいいかもしれませんね。
●六時礼賛堂
中心伽藍の背後に位置し、薬師如来坐像と四天王像を祀っています。
1623年建立であり、もともとはこの場所では無く、近隣の大江小学校の場所にあった椎寺薬師堂を移築したものです。
昼夜6回にわたって礼賛がおこなわれることから6時礼賛堂の名前が付けられました。
このお堂は納骨や供養などが行われる中心道場であり、大法要もここで行われるように、観光として重要なお堂というよりは寺院実務として重要なお堂といえます。
この日もたくさんの人が訪れていました。
●元三大師堂
1618年建立のお堂。第18代天台宗座主、元三慈恵大師良源を祀っています。
●長持形石棺蓋
四天王寺近隣にある茶臼山古墳から出土したとされる石棺蓋です。
四天王寺境内の亀井堂東の溝に橋として使われており、この橋を渡ると安産になると伝えられてきました。
明治時代に調査され、古墳時代の石棺蓋であることが判明してからはこの場所に移動され保管されています。
茶臼山古墳は昔の名前を荒陵といいますが、四天王寺の山号は荒陵山です。
四天王寺ほどのお寺の山号に古墳の名前を使う・・・茶臼山古墳にはよほど四天王寺創建と関係が深い人物が葬られていたのでしょうか?
●御朱印
御朱印は中心伽藍入り口から遠くない場所にある朱印所でいただけます。
この日は年配の女性に書いて頂きました。
四天王寺は様々な霊場めぐりに組み込まれており、御朱印も何種類もあります。
霊場めぐりではないスタンダードなものも用意されているので必要なければそちらを指定するとよいでしょう。
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