知恩院というお寺は有名で好きな人も多いので聞いたことはあるかもしれません。
場所は観光の中心地である京都東山にあり八坂神社から近く、清水寺からも徒歩でアクセス可能な場所にあります。
浄土宗という大きな宗派の総本山ということで、東山にはありますが、観光を前面には押し出してはおらず、どちらかというと粛々とした宗教の場という印象のお寺です。
浄土宗という宗派ですが、「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えさえすれば成仏できるというシンプルな教えで庶民に広がったので、この宗派の家は多く、身近にみられます。
平安時代末期の成立ですが、それまで過酷な修行や多額のお布施をしないと極楽へはいけないとされていたため、浄土宗の登場は画期的なものでありました。
知恩院は浄土宗の開祖、法然上人の居住地跡に建てられています。
ただ、江戸時代までは規模は大きくなく、規模を拡大したのは徳川家の京都における菩提寺となった江戸時代になってからです。
ここへ行ってはじめて知ったのですが、徳川家は浄土宗なんですね。
境内は非常に広く、順路も男坂・女坂を登ってからは法然上人御堂へ行くルートと勢至堂へ行くルートに分かれます。
拝観時間は9時~16時、境内拝観料は通常期間は無料。友禅苑・方丈庭園のみ有料です。
●三門
知恩院のシンボルといってもいい巨大な門です。知恩院へ入る際はここを通ることが多いと思います。1621年に徳川秀忠が建立した高さ24m、幅50mで日本最大の木造二重門。
国宝指定されています。
三門というのは、禅寺なんかだとよくある門なのですが、三つも門が無いし何が三門かわかりませんね。「空門」、「無相門」、「無願門」を表すことから三門というらしいです。
この三門は楼上に仏堂があるのですが、普段は非公開。
ただ、秋の特別拝観では上がれるそうです。ここに知恩院七不思議のうち「白木の棺」があるので公開の際にはぜひチェックしておきたいところですね。
●友禅苑
三門を通ってすぐのところにある庭園です。池泉回遊式と枯山水での構成。友禅染の祖、宮崎友禅ゆかりの庭園です。
基本無料の知恩院境内において、この友禅苑と方丈庭園だけは有料になっています。
方丈庭園との共通券も購入することができます。共通券は15時半までの販売となっているので注意。
友禅苑では明治の著名な彫刻家である高村光雲の銅製聖観音像が見逃せないポイントです。
●男坂・女坂
三門を出たところから境内へあがる階段ですが、実は2通りあるんです。
ひとつが女坂。こちらはなだらかな普通の階段で、体力のない人でも問題なく登っていけます。
そして、もう一つが男坂。一段が40cm~50cmあるような急な階段です。勾配が急なうえに足を大きく上げないと登っていけないのでかなりしんどく危険な階段です。ただ、距離的には最短で境内へいけるので近いのがメリット。
体力があるかたは男坂を試してみては?
★女坂
★男坂
■御影堂~集会堂ルート
●御影堂
知恩院の本堂にあたる建物で、本来は知恩院参拝の目玉になるはずなのですが、残念ながら現在修理中で見ることはできません。
2019年に完成予定となっていますので、完成したらぜひ見に行きたいですね。
1639年、徳川家光によって再建され国宝指定されています。
●阿弥陀堂
巨大な阿弥陀如来を本尊とするお堂です。
1910年の明治時代再建ということで知恩院の中では比較的新しいお堂になります。昔は勢至堂の方にあったそうですが、焼失前に移築されて今の位置になったそうです。
内部拝観も常時可能で、料金もかかりません。ここの渡り廊下からも御影堂,集会堂(法然上人御堂)へ行くことができます。
●集会堂(法然上人御堂)
千畳敷と呼ばれるほどの広いお堂です。本来は僧侶の修行の場でしたが、現在は御影堂修理の為にこちらが仮の本堂となっており、法然上人像もここで祀られています。
修行の場というだけあって僧侶の事務所のようなものもあり、大勢の僧侶が祭事を行っていたりします。
御影堂は2019年の完成ということで、大勢の参拝客をうけいれられるよう、本来のお堂部分に延長して新しい建物が拡張されており、お堂というより集会場という雰囲気になっています。
入口は武家門と新玄関があるのですが、団体でない限り武家門を使用します。
ここから大方丈の入口へ行くことができますが、普段は方丈庭園へのルート以外は非公開です。
集会堂の奥には知恩院7不思議のパネル説明コーナーがあります。
●方丈庭園
江戸時代初期に作庭されたといわれている池泉回遊式の庭園です。
友禅苑と同じく、普段から有料拝観となっており、友禅苑との共通券も販売されています。
途中に大方丈や小方丈の建物や御影堂の唐門など見ることができます。
■大鐘楼~勢至堂ルート
●大鐘楼
高さ3.3m,口径2.8m,重さ70トンの大梵鐘を吊るす鐘楼です。梵鐘,鐘楼ともに江戸時代初期のものとなっています。
この梵鐘は日本三大梵鐘に数えられ、大みそかには僧侶17人がかりで除夜の鐘をつくことで有名です。
●御朱印
朱印所は三門から上がったところのちょうど両ルートの分岐点にあります。
御朱印は知恩院全体のものや勢至堂のものなど複数あり、選ぶことができます。
墨書きありで職員さんが書いてくださります。
知恩院の御朱印は写真右で知恩院全体のものです。
●知恩院参拝時の注意点
知恩院参拝には注意するところがあります。
このお寺は閉門が早く、16時までしか開いていません。
16時の時点で参拝中であっても人がいないエリアから封鎖されていき、警備員に追い出されます。
規模の大きいお寺であるうえに入れる建物や庭園も多く、15時台に行ってもとてもではないですが、まわりきれません。
やっかいなことに一筆書きでは周れない順路になっており、より時間がかかります。
あと、撮影禁止エリアが多いことです。
仏像撮影が禁止なのはよくあることですが、ここの場合、「知恩院7不思議」の説明パネルでも不可だったりします。
今回は方丈庭園を回って時間切れとなり勢至堂ルートへはいけませんでした。
日本三大梵鐘といわれる大鐘楼もそちらにあるので、結構おしい感じです。
次回はぜひそちらのルートへ行きたいですね。
コメント