清水寺は京都でも非常に観光客が多い人気トップクラスの大寺院です。近年は外国人観光客も非常に多くなりもはやどこの国に来たのかわからなくなるような状態です。
有名寺院であっても通常は土日や祝日に人がいっぱいになるぐらいで、平日は人もまばらになるのですが、ここは曜日関係なしに混雑します。
もともと清水寺は舞台で有名で人気がありましたが、特に外国人観光客をひきつけるのは寺院そのものだけではなく、参道街である二年坂や三年坂が伝統的な日本らしい街並みであるからでしょう。
本堂手前まで無料で入れ、本堂拝観料自体も400円とリーズナブルであることも人気につながってると思います。
みどころは有名な「清水の舞台」やそこからの京都を一望できる景観。各種の鮮やかな朱色の建物とパワースポット「音羽の瀧」などとなります。
清水寺は京都でも数少ない奈良時代末期創建の古寺で、日本有数の観音霊場です。古都京都の文化財としてユネスコ世界遺産にも登録されています。
拝観案内はこちらを参照ください。
●清水寺とは?
縁起によると、創建は延鎮上人。延鎮は元は興福寺の僧でしたが、夢のおつげで音羽山へと入り、滝業を行う行叡居士と出会います。行叡は後を延鎮へ任せ東国へ旅立ちました。この時に渡された霊木から延鎮は千手観音菩薩像を彫り778年に行叡の草庵に祀ったのが清水寺のはじまりです。
清水寺の拡大のきっかけは坂上田村麻呂でした。780年に妻の療養のため鹿狩りのため音羽山へ入った田村麻呂は延鎮より殺生の罪を説かれ観音を信仰するようになります。この際に自邸を本堂として寄進しました。
こののち、田村麻呂は征夷大将軍として観音の使者である毘沙門天と地蔵菩薩の助力を得て蝦夷平定をおこない、本堂の大規模改築を行ったとされています。この時に本尊の脇持として毘沙門天と地蔵菩薩像を祀り現在に至っています。
清水寺の宗派は元は興福寺と同じ法相宗でしたが、平安時代中期より真言宗を兼宗。1965年からは新たに北法相宗を立ち上げ法相宗から独立しています。
●駐車場は?
専用駐車場はありませんが、清水門前駐車場(1時間800円 40台)が最も近い駐車場です。
ここ以外でもタイムズなど小規模な物はあります。
ですが、参道は人が多く袋小路などもあるため、身動きできなくなる恐れがあり、あまり車での参拝はおすすめできません。
●仁王門
清水坂を登ったところに見える清水寺の鮮やかな朱塗りの正門です。清水寺に参拝したことある方なら誰しもが通ったと思います。
門の左右には鎌倉時代末期の仁王像が安置されており、網越しではありますが見ることができます。門の手前の階段がやや急なので登る際注意が必要です。
門自体は室町時代の建立で、重要文化財指定されています。
●西門(さいもん)
仁王門の向かって右側に建つ朱塗りの門が西門です。この門から京都の街並みが展望できるため展望スポットとなっています。また、この門と仁王門の並ぶ構図は美しく一見の価値があります。
大火で焼失しており、1631年に再建されました。重要文化財。
●三重塔
境内でひと際高く、鮮やかな朱色を輝かせる塔が三重塔です。仁王門の外からでも見ることができるほど目立つ建物です。高さは30.1m。
しばしば、仁王門と並んで撮影されたり、本堂舞台と並んで撮影されたりしています。
非公開のため見れませんが、初層内陣には大日如来坐像が配置され、周囲の壁には真言八相像の壁画が描かれているそうです。
847年に建立されましたが、現在の建物は1632年の再建です。
●鐘楼
お寺の鐘のことを梵鐘といいますが、この梵鐘をつるしておく建物を鐘楼といいます。仁王門を出たところの階段を上ってすぐ左手にあり見逃しやすいので注意。
清水寺の鐘楼は1607年の再建で、彩色は1999年に復元されたものです。桃山時代の美しい彫刻がなされています。重要文化財指定。
梵鐘は2008年のもので新しいものです。5代目だそうです。それまで使用されていた4代目は1478年に奉納されたもので、530年間使用されました。重要文化財指定され、現在は宝蔵殿に収蔵されています。
●経堂
1633年の再建。平安時代では一切経を所蔵し、全国から学生が集まる講堂でした。現在は一切経はありません。
内部では釈迦三尊像が祀られており、展示会などのイベントでもよく使用されているので、参拝すれば中へ入る機会は多いお堂です。
●開山堂
1633年の再建。別名「田村堂」ともいいます。
清水寺を創建した坂上田村麻呂夫妻像と開山の延鎮上人,開基の行叡居士を祀っていますが、堂内は特別公開時のみ拝観できます。
●轟門(とどろきもん)
本来は本堂へつながる門で1631~1633年の再建。轟門からは回廊が伸びています。
2016年5月現在では修理中で、再建時の高さに戻すということで、13cm高くなる予定とのこと。修理中なのでここからは通れず迂回して本堂へ行くことになります。
●随求堂(ずいぐうどう)
随求堂は清水寺の境内にありますが、清水寺のお堂ではなく、塔頭である慈心院の本堂です。大随求菩薩(秘仏)を本尊とし、求めに随って願いをかなえてくれるといわれています。
地下道があり、これをめぐることを胎内まぐりといいます。大随求菩薩は秘仏のため、拝むことはできませんが、地下道におかれた「随求石」は本尊の真下に置かれており、それに触れるのは本尊を拝むのと同等とされています。
胎内めぐりの地下道は真っ暗であり、壁伝いにはわしてある数珠を手でたどりながら進むというちょっとしたアトラクションのようなものになっています。
暗闇を進むと明るく照らされた梵の字(随求石)が見えてきます。これを回して深く祈り、再び暗闇を通って地上へ帰ってくるというもの。
人気があるので行列で地下道を進むことになり、人との激突が怖いですが、暗闇を進むのはドキドキして楽しいですし、地下道を出ると心身が生まれ変わった気分を味わえますよ。
値段は100円とリーズナブルな設定です。
●地主神社
本堂に入る直前にある神社。元は清水寺の鎮守社でありましたが、明治以降は独立した神社となっています。ユネスコでは清水寺の一部として世界遺産となっています。
本殿,拝殿,総門が重要文化財指定。
大国主命を主祀神としており、縁結びのパワースポットとして人気があります。
境内にある2つの守護石「恋占いの石」は10m離れており、目をつむって石から石にたどり着けば恋がかなうとされています。ただし、混雑時の境内は人で埋め尽くされるため、そのようなことは不可能になってしまいます。朝早くに行くのがおすすめです。
創建は清水寺より遥かに古く、社伝によれば日本建国より前からあるとのこと。しかも守護石は縄文時代のものという調査結果があるようです。
●本堂
本堂は清水寺のメインとなる建物であり、本尊の千手観音菩薩が祀られています。1633年再建で、国宝指定されています。
その本堂ですが、朝倉堂の横を過ぎた先に受付があり、ここで拝観料を支払います。拝観料は400円と他の寺院が500円~700円するのに対し良心的な価格となっていると思います。
受付を抜けると右手に舞台,左側に本堂の建物があります。本堂には外陣,内陣,内々陣に分かれ、参拝者は外陣と内陣に普段入ることができます。
外陣では内陣に向かって座り拝むことができます。巨大な鈴(りん)を叩くこともでき、常に参拝者の行列ができています。
内陣では内内陣に安置されている千手観音像(お前立)や28部衆像を網越しではありますが、拝観することが可能です。ここは外陣の列とは別なのでそれほど並ばないで見ることができます。
内々陣には前述の仏像が安置されていますが、普段は入ることはできず、内陣から拝観するのみです。特別な法要の際は立ち入り可能で間近から拝観できます。
本堂の奥には内陣があり、本尊・千手観音菩薩のお前立と28部衆像が並んでいます。この場所は、さきほどの拝む場所とは別となっており、それほど並ばなくても見ることができます。
★清水式十一面千手観音菩薩
清水寺の本尊。通常の千手観音菩薩とは違い、左右の手を頭上に掲げ化仏(小さな仏像)を乗せた特殊な姿をしています。これは清水寺独自であり、「清水式観音菩薩」と呼ばれています。
秘仏であり収納されている厨子の扉は普段は占められています。33年の御開帳時にしか姿を見ることはできず、画像などもありませんが、その姿を模した「お前立」が内々陣に安置されています。
といっても必ずしも33年に一度しか開帳されないわけではなく、定期開帳以外でも開かれることはあるようです。最近では2000年の定期開帳以外に2008~2009年に特別開帳があったようです。
本尊の姿はお前立だけでなく、外陣上にかかっている銅板のレリーフでも確認できます。この銅板を「御正体」といいます。※一つ上の写真参照
脇侍に地蔵菩薩と毘沙門天像がありますが、これらも秘仏となっています。
★清水の舞台
崖にせり出すように作られた本堂の前面部分をその姿から舞台と呼んでいます。「清水の舞台より飛び降りる覚悟で」という格言で有名です。※上の写真は冬季です
地上からの高さは12m(ビル4階相当)。懸け造または、舞台造ともいい、釘を一本も使用せず組み上げられています。
奥の院にも懸け造は使用されていますが、よく「清水の舞台」として撮影されるのは、本堂の方です。撮影スポットは奥の院からのものが多くみられます。例によってそのポイントは撮影の観光客で混雑していました。
懸け造は清水寺に限らず建物が山の斜面へせり出す時に使用されます。
石山寺や長谷寺など他の観音霊場でも懸け造は使われており、観音霊場が山の崖付近に作られることが多いためだと考えられます。
舞台では音楽や能など芸能が奉納され、実際に舞台として使用されることもあります。
江戸時代には実際に飛び降りた人は多数いたようで、234名にもなるそうですが、実は自殺では無く願掛けであり、生存率は85%にもなったそうです。
当時は地面の土も軟らかかったようで、それが生存率を上げていたのでしょう。今は飛び降りたら死んでしまいますよ。
★弁慶の鉄の錫杖・鉄下駄
本堂入り口付近に置かれています。
鉄の錫杖は大きいものと、小さいものがあり、小さいものは14kg。大きいものは90kg以上になります。鉄下駄とともに明治時代に吉野の修験者より寄進されたものということですが、あまりの重さに「弁慶の鉄錫杖・鉄下駄」と呼ばれています。
観光客も持つこともでき、小さな鉄錫杖であれば問題なく持てますが、大きなものはかなり難しいです。私はびくともしませんでした・・・
ここで力試しする観光客も多く見られます。
★出世大黒天
こちらも本堂入ってすぐのところに置かれています。
願うと出世する大黒天ということで観光客に大人気であり、参拝にはいつも列が出来ています。室町時代の作品であり、2008年に修復されています。
●音羽の瀧
清水寺の名前の由来になった滝です。日本10大名水の筆頭で1000年以上わき続けているそうです。
本堂から降りた場所にありますが、この進み方をすると奥の院に行くのにまた最初から回ってこないといけなくなるので注意が必要です。奥の院から降りて順路で進むのがベストです。
3筋の滝が落ちてきており、それぞれ、「恋愛」「学業」「健康」とか「長寿」「出世」とか願いがかなうなど言われパワースポットとして人気です。
本来この三本の滝は「仏」「僧」「法」への帰依などを表し、それ自体が神聖な信仰の対象でした。
音羽の滝では時間帯問わず人気で観光客が列をつくって並んでいる光景をよく目にします。実は滝の水は飲むことができ、すくうのに使用するひしゃくは紫外線殺菌されているので安全なんです。3つあるうちから目的の願いの滝の水を飲むといいでしょう。
ちなみにひしゃくは複数本用意されており、取り合いにはならないので安心です。
●奥の院
音羽の瀧の真上に建ち、開基「行叡居士」と開山の「延鎮上人」が修行した草庵跡に建てられたといわれています。
本堂と同時期の1633年の再建。本堂と同様に懸け造が採用されており、舞台をもっています。
この奥の院からの本堂の眺めがよく清水寺の写真として採用され、観光客の撮影スポットとして人気があります。
本尊には「三面千手観音像」を祀っていますが秘仏で残念ながら公開されていません。
2016年5月現在、奥の院は修理中であり、建物は覆われ見ることができませんが、舞台端に通路が確保されておりそこから音羽の瀧の方へ降りることができます。また、この場所は本堂の撮影スポットにあたる場所なので本堂の写真は以前と変わらず撮影可能です。
同様に、釈迦堂や阿弥陀堂も現在工事中で拝観できなくなっています。
●子安塔
本堂からの眺めでひと際目立つ朱色をした三重塔があります。これが子安塔です。
清水寺塔頭である泰産寺の塔で約15m。1633年の再建で、もとはこの場所にはなく仁王門前の警備室付近にあったものが移築されたようです。
塔への行き方はわかりにくいですが、奥の院から降りてきてすぐに脇道がありそこを登っていけば到着します。
この場所からは本堂,三重塔をはじめ各お堂が一列に並ぶ眺めを楽しむことができます。
●瀧の家
清水寺境内の茶屋です。音羽の滝付近にあり、創業120年以上の老舗。
特に湯豆腐が人気のようです。
店内の席だけでなく、屋外の床席もあり人気があります。
●御朱印は?
清水寺の御朱印は本堂をすぎたあたりにある御朱印所でいただけます。就業時間直前までやっていますが、順路があるので逃すとまた回ってこないといけなくなります。ほしい人は通りがかったらその場で頂きましょう。
●あとがき
清水寺は京都で一番の観光名所であり、実際に観光客も最も多い印象があります。
それだけ清水寺には魅力が沢山あるということです。
清水寺の最大の魅力は季節ごとに見せる舞台を中心とした美しい景観でしょう。春には桜,初夏には新緑,秋には紅葉,また、冬の雪化粧した清水も風情があります。
さらに清水寺には夜間拝観でライトアップを行っている時期があります。夜の清水寺は幻想的な美しさが際立ちカップルにお勧めです。
清水寺の夜間ライトアップの記事もありますのでよかったら読んでみてくださいね。
コメント
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