宇治神社や宇治上神社というのをご存知でしょうか?
京都府宇治市の神社で二社とも大きな神社ではありませんが、平等院とともに世界遺産指定されています。二つの神社にわかれてますが、両社とも元は同じ神社であり、兄弟のような関係となっています。
有名なのは宇治上神社のほうで、日本最古の本殿があるのがみどころとなっています。
平等院とは宇治川をはさんで反対側にありますが、距離は遠くなく十分歩いてまわれる範囲にあります。世界文化遺産というだけあって観光客も多くみられました。
●宇治神社・宇治上神社とは?
古墳時代、現在宇治神社や宇治上神社がある付近は応神天皇の離宮がある場所でした。また、その皇子のウジノワキイラツコノミコトの宮居でありました。応神天皇はこの皇子に次期天皇を譲ろうとしますが、儒教の教えから兄に譲り、自身は自害しました。
兄は即位し仁徳天皇となりましたが、皇子の魂を弔うため宮居に祠を作ったのが宇治神社の始まりです。
明治以前は二社で一体とみなされ、宇治神社は下社、宇治上神社は上社と呼ばれ、二社で宇治離宮明神と呼ばれていました。平等院建立の際、宇治神社と宇治上神社が鎮守社となりました。
祭神は「菟道稚郎子命(うじのわきいらつこのみこと)」「応神天皇」「仁徳天皇」です。
●宇治上神社
宇治神社の北側にある神社で元は離宮上社と呼ばれていました。祭神はウジノワキイラツコノミコト,応神天皇,仁徳天皇です。
世界文化遺産に登録されているのはこの宇治上神社の方だけです。
★拝殿
宇治上神社の拝殿です。国宝指定。
使われている木材から鎌倉時代の1215年ごろの建物であるといわれています。寝殿造りの様式をとっています。
★本殿
宇治上神社の本殿です。国宝。
本殿と覆屋が一体となった構造をしており、本殿は覆いに接近してうかがうことになります。
本殿の中央に応神天皇、左が菟道稚郎子、右が仁徳天皇を祭っています。
建物に使用されている木材の年輪から平安時代の1060年ごろの建築となっており、日本最古の神社建築といわれています。
★桐原水
お茶で有名な宇治にはいたるところに名水が湧き出ていました。そんな中でも特に有名なものを宇治6名水と呼んでいましたが、ほとんど枯れてしまいました。
その中で唯一、今でも湧いているのはこの桐原水です。手水場として利用されており、現在は沸騰なしでは飲むことはできません。
★3種の御朱印
宇治上神社には3種の御朱印があり「離宮・金字朱印」,「茶加実朱印」,「奉書朱印」があります。
金字朱印は紫式部にちなんだ紫の台紙に金字で書かれているものです。朱砂を使用した本物の印泥を使用しているそうです。台紙の色が濃いため、墨字が使えず日付は入りません。価格は500円です。
茶加実朱印は宇治茶にちなんだ緑色の台紙を使用しています。こちらも本物の印泥を使用しています。墨字も使用できるので日付が入ります。
奉書朱印は通常の御朱印で300円です。私はこちらをいただきましたが、今になって金字の方がよかったかなっておもってたりしますね。
●宇治神社
宇治川のほとりにあり、宇治上神社の南側にある神社です。以前は宇治上神社と二つで一つとなっており、離宮下社と呼ばれていました。
宇治上神社の方が世界文化遺産ということで脚光を浴びていますが、こちらも元は同じ神社であり、なかなかの文化財があります。
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★兎楽の樹
宇治神社入口鳥居の向かって右側にある楠です。ウジワキイラツコノミコが河内の国から宇治へ来る際に振り返りながら先導し連れてきたのがこの場所だとされています。
その兎たちが今も楽しく戯れる宇治神社を象徴する樹ということです。
★本殿
宇治上神社の本殿ほど古くはないですが、こちらもなかなか古く鎌倉時代初期の建築です。三間社流造で重要文化財指定されています。
同じく重要文化財指定されているウジワキノイラツコノミコの神像があるそうなのですが非公開なのか見当たりませんでした。どこにあるんでしょうか?
★御朱印
宇治神社にも御朱印はあります。今回はいただかなかったのですが、ちょっと後悔しているので次回来ればいただこうと思います。
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