東大寺大仏殿のみどころ 世界最大の木造建築

奈良と言えば、東大寺の大仏という人は多いと思います。実際に東大寺は奈良で一番観光客が多い場所で、世界文化遺産にもなっており、近年は圧倒的に外国人が増えました。

奈良は「大仏商法」という言葉があるように奈良にとって大仏は非常に重要な物です。

大仏殿は修学旅行先としてもメジャーなので、行ったことがある人も多いとは思いますが、なかなか「大きい仏像があった」や「鹿がいっぱいいた」ぐらいしか覚えてなかったりするものではないでしょうか?

実際にはいろんなみどころのあるすごい場所なんです。今回はそんな大仏殿のみどころを伝えていきたいと思います。

●南大門

東大寺の参道を進んでいくと、巨大な南大門が見えてきます。この南大門が東大寺の正門にあたり、現存の建物は鎌倉復興期の再建となります。創建時の南大門は962年に台風で倒壊しています。

宋より伝来した大仏様という建築様式が採用されています。この大仏様という建築様式は他の寺院でも時々耳にしますね。

国宝指定されています。

南大門

★金剛力士像

南大門の両端には日本史の教科書でお馴染みの2体の金剛力士像が安置されています。

左右の像は姿が異なり向かって右が口を閉じた吽形、左が口を開いた阿形となります。

この金剛力士像も南大門と同じく鎌倉復興期の仏像で、当時の名仏師である運慶と快慶が造像したというのでよく知られていますが、実際には運慶の息子である湛慶や一派の定覚などの複数の仏師が参加していたようです。

この2体は武士の時代を象徴するように力強い造形をしており、鎌倉時代を代表する仏像として特に有名で、東大寺の大きな見どころとなっており、国宝指定されています。

■金剛力士像 吽形

金剛力士像

■金剛力士像 阿形

金剛力士像/阿形

●中門~回廊

南大門から北へまっすぐ歩いていくと、中門が見えてきます。この中門と大仏殿を連結するように回廊があるのですが、中門を直接通って大仏殿へ向かうことはできません。

中門に向かって左にある入り口から回廊に入ることができます。回廊内には受付があり、ここから有料となります。

大仏殿の全体像が見えるビュースポットはこの受付付近で、フォトスポットになっています。

●八角灯篭

大仏殿の前に立っている金銅製の灯篭です。知らなければ見のがしてしまいがちですが、この灯篭は改修されているものの奈良時代のものです。国宝。

4枚の羽目板がついており、楽器を演奏する音声菩薩がレリーフされています。西北面と西南面は本物ですが、他はレプリカとなっています。

東大寺/八角燈籠

●大仏殿

東大寺大仏殿

中門から北へまっすぐ進んだところにある巨大な建物が東大寺の金堂(本堂)であり、本尊の大仏を祀る大仏殿です。国宝指定。

当然ですが、内部拝観可能で、土間のため土足で入堂できます。ちなみにこれだけの有名寺院では珍しく内部も自由に撮影も可能です。※三脚不可

内部はこれだけの大きさの建物なのでいろいろあるのかと思いきや、わりとすっきりしていて、正面に大仏と2体の脇侍が,奥には2体の四天王像が安置されている他は資料的な展示物が少しある程度です。ただ、仏像のサイズが大仏以外も非常に大きく、存在感があり、まわりがすっきりしている分だけ全周から見れるようになっています。

この大仏殿は世界最大の木造建築物とよく言われていますが、現在はもっと大きな木造建築物が存在しています。大仏殿は近世までに建てられた木造建築物としては世界最大ということあんですね。

奈良時代の758年(大仏建立より後)に建てられましたが、過去2度再建されており、1回目は鎌倉時代の1190年,2回目は江戸時代の1709年です。

宋から伝わった大仏様という様式で作られており、これは鎌倉再建時から採用されました。

規模は現在でも十分に巨大ですが、これでも、創建時や鎌倉再建時に比べれば縮小しているようです。現在の建物は、幅57.5m 奥行50.5m 高さ49.1mとなっていますが、奥行と高さは創建時と同等ですが、幅は3分の2になっています。

これは、当時の木材不足によるものであるようですね。

★奈良の大仏(廬舎那仏)

東大寺/大仏

大仏殿の本尊であると同時に東大寺全体の本尊です。姿は釈迦如来像そっくりですが、廬舎那仏という華厳宗の仏さまです。 国宝指定。

金銅製で大量の銅の多くを山口県で採掘したそうです。

奈良の大仏として有名な仏像で奈良県で一番の観光の目玉といっていいでしょう。大仏殿の入り口すぐのところに安置されており、大仏殿の外からでも姿が少し見えます。

現在の大仏は高さ14.7m,基壇の周70mとなっています。本体は全身真っ黒ですが、創建当時は金箔が張られて輝いていました。金も大量に必要で、この時に奥州(東北)で発見された大量の金が使われました。

聖武天皇の発願により、奈良時代の745年から施工し7年かけて752年に完成しました。修二会の過去帳には制作にかかわった仏師は国中連公麻呂,鋳師に高市大国,高市真麻との名前が記載されています。

造立の責任者は行基が担当し、完成時の開眼はインド渡来の僧である菩提僊那が担当しました。

現在の大仏は奈良時代創建時の部分は少なく、頭部は江戸時代,体は大部分が鎌倉時代のものとなっており、よく見てみれば表面の古さが異なるのがわかります。

台座は奈良時代のもので蓮弁に描かれた仏の線刻も貴重なもので見逃せません、体の一部分にも奈良時代のものが残っているので、探してみるのも楽しいかもしれませんね。

★如意輪観音菩薩・虚空蔵菩薩坐像

大仏の両脇を固める脇侍が木造の如意輪観音(左)・虚空蔵菩薩坐像(右)です。

大仏の脇侍けあってこれらも7mと巨大なもので、こちらは塗金されています。やはり創建当時のものではなく、江戸時代の復興期のものとなっています。

古い記録によると、創建時は木造ではなく奈良時代に多い塑像で、如意輪観音に関しては少なくとも今のように坐像ではなく、石山寺のような半跏像であったようです。

■如意輪観音坐像

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■虚空蔵菩薩坐像

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★四天王像

四天王は本来は本尊の四方の守りを固める仏さまですが、大仏殿の場合は2体しかおらず、広目天と多聞天のみです。

あと2体は未完成で終わったそうで、首のみ大仏殿内で展示されています。

大仏殿と同様に江戸時代に作られた木造彩色の再興像となっています。

創建時の四天王像は失われていますが、鎌倉復興期に関しては写しがいくつか全国の寺院に残っており、金剛峯寺のものと海住山寺の物は秀作とされています。

■広目天立像(北西)

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■多聞天立像(北東)

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■持国天・増長天

東大寺大仏殿/持国天・増長天

★大仏の鼻の穴

大仏殿内の北東には大きな穴が空いている柱があります。

この穴は「大仏の鼻の穴」と呼ばれており、人間がくぐれる程度の大きさがあります。実際にくぐることができ、観光客に人気なのですが、大人だとかなりきつきつで厳しく、同行者に引っ張り出される姿をよく見かけます。

特に海外の方で挑戦される方が多いですね。

この穴を通ると邪気が払われるといわれています。なんでもこの場所が、大仏殿の鬼門にあたるためだとか。

大仏殿へ行ったときはぜひ挑戦してみては?

東大寺大仏殿/大仏の鼻の穴

●御朱印

東大寺は主要なお堂が大仏殿,法華堂,二月堂,戒壇堂と4つあり、それぞれで別々の御朱印があります。大寺院だとたまにあるパターンなのですが、東大寺はそれぞれのお堂が有名だったりするので全部もらいたいところですね。

今回取り上げている大仏殿の場合は、大仏殿出口近くの売店コーナーの一角に御朱印受付があります。

私のを書いていただいた方は朱印帳を立てて書いておられたのですが、それなのにかなり綺麗にかけています。

東大寺大仏殿/御朱印

●大仏殿の鹿

奈良といえば鹿ですが、奈良公園に隣接する東大寺境内にも非常に多くの鹿がいます。観光客が集中し、露店も多い大仏殿周辺は特に多く中門の前などは鹿の休憩所のようになっており集団で寝そべる鹿が頻繁に見られます。

廻廊に囲まれた大仏殿前は鹿がおらず綺麗ですが、それ以外は奈良公園同様に糞だらけなので足とに注意が必要です。また、奈良公園同様に食べ物を持っていると寄ってくるので取られないように。

●東大寺とは?

奈良公園の北東に位置し、12万ヘクタールの広大な境内を持つ大寺です。東大寺とは平城京の東の官大寺という意味です。

宗派は創建当初より南都六宗のひとつ華厳宗の大本山です。

前身は聖武天皇が建立した金鐘寺。朝廷より741年に全国に国分寺を作る命令が出されると大和国金光明寺と名をかえ、国分寺を統括する総国分寺となりました。

東大寺の名前が使われだしたのは大仏造営開始のころからで、大仏完成後には東大寺初代別当として良弁僧正が任命されています。

752年には大仏が、758年には大仏殿が建立され、760年には東西の七重塔,講堂,戒壇院,食堂など主要伽藍がそろいました。

その後、1181年に平重盛の南都焼き討ちや1567年の三好・松永の戦いで被害にあい、伽藍の大部分を焼失したが、その度に復興し、現在の伽藍は江戸時代に復興したものです。

現在の主な伽藍は大仏殿(金堂),中門・廻廊,南大門,戒壇院,鐘楼,二月堂,法華堂(三月堂),正倉院(宮内庁管轄)となっています。

なお、講堂と食堂,東西の塔は復興されることはなく、跡地だけが残っています。

●大仏殿へのアクセス

大仏殿へは電車だと近鉄奈良駅が最寄り駅です。奈良公園に沿って東へ歩いていく感じになります。近鉄からでも20分歩かなくてはいけないんですが、JR奈良駅からだとさらに遠くなるので駅からバス利用をおすすめします。

バスはどちらからでも市内循環バス利用で「大仏殿春日大社前」下車。

次に車で来た場合ですが、車はあまりおすすめしません。東大寺直営の駐車場は観光バス用のものしかなく、すぐ近くにある民営の駐車場は非常に狭く停めにくいうえ、ほとんど満車です。

少し離れれば民営の駐車場はけっこうあるので、停めて歩いて東大寺まで行くことになります。

●終わりに

東大寺は大仏で有名ですが、みどころは大仏と大仏殿だけではありません。大仏殿もいいですが、私は法華堂と戒壇堂もおすすめします。

本当の奈良時代の傑作を見ることができますよ。

奈良への旅行ならこちら

■東大寺・法華堂のみどころへ

■東大寺・戒壇堂のみどころへ

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